20年近く

気になりはじめたのは20代の半ば。そこから、気づけば20年近くたっていた。最初のメッセージは、そう始まっていました。

その間、何もしなかったわけではないそうです。紹介された人と会ったこともある。けれど、関係が近づきそうになると、自分から距離を取ってしまう。理由を聞かれても答えられない。それを何度か繰り返すうちに、相手を探すこと自体をやめていた、と。

相談しようと思ったきっかけは、同僚の結婚式の帰り道だったそうです。電車の窓に映った自分を見て、このまま何も言わずに年を取るのは嫌だと思った。

当日のこと

当日のことは、短く書きます。部屋で話す時間が長くなりました。20年分の話です。急ぐ理由はないので、本人が話し終わるまで聞いています。

途中で本人が「こんな話、誰にもしたことがない」と言いました。話すだけで終わってもいい、と伝えています。本人は少し黙ってから、続けたいと言いました。

そのあと、時間をかけて進め、本人は卒業しています。

3か月後のメッセージ

3か月ほどたったころ、本人から短い近況が届きました。りょうから連絡はしていません。本人が書きたくなったのだそうです。

変わったこととして書いてあったのは、二つ。職場で恋愛や結婚の話になっても、前ほど身構えなくなったこと。自分のことを「おかしい」と思う回数が減ったこと。

変わらなかったこととして書いてあったのは、恋人ができたわけではないこと。性格も、生活も、ほとんど同じだということ。

最後は、こう締めくくられていました。「人生が変わる、ではなかったです。ずっと持っていた荷物を一つ下ろした感じです」。

卒業で、人生は変わらない

処女卒業で人生が劇的に変わる、とは言えません。変わるとすれば、自分を責める回数くらいかもしれません。それでも、20年持っていた荷物が一つ減るなら、相談する意味はあると思います。