夜中の検索
仕事柄、調べることには慣れている。だから、はじめてのことも調べれば落ち着くと思っていた。本人はそう話していました。
実際には逆でした。夜中に検索するたびに、痛かった話、怖い思いをした話、危ない相手の話が目に入る。読めば読むほど、怖さが増えていったそうです。気づけば、30代、処女、と打ち込むことが寝る前の習慣になっていた、と。
20項目の質問
最初の相談は、番号付きの質問リストでした。全部で20項目。避妊の方法、キャンセルできるか、費用の内訳、当日の所要時間、撮影はあるか、個人情報はどう扱うか、年齢の確認はどうするか、相手は毎回同じ人か。
りょうは、一つずつ番号をつけて返しています。避妊は必須。撮影はしない。年齢は当日、20歳以上と分かるもので確認するだけで、記録は残さない。相談を受ける人と当日会う人は同じ。費用は、相談料などは0円で、相談場所の費用は半分ずつ。
答えなかった質問もあります。体の症状や検査についての質問です。これはサポートで答えることではないので、婦人科などの医療機関で相談するように伝えました。本人は「答えられないことを答えられないと言われて、逆に安心した」と書いてきました。
怖さの正体
20項目に答え終わったころ、本人のほうから気づいたことを書いてきました。怖かったことの多くは、起きるかどうか分からないことだった。分かってしまえば、残る怖さはずっと小さい。
ネットの体験談は、怖かった話ほど目立ちます。それは本当にあったことかもしれませんが、自分にもそのまま起きるとは限りません。本人はこのころから、夜中の検索をやめたそうです。
当日
当日の前に、時間の目安をメモにして送っています。待ち合わせから入室まで15〜30分。部屋で話す時間は1時間近く。前処置には30分以上。時間は延ばすことはあっても、短くすることはありません。
本人はそのメモを印刷して持ってきていました。部屋で話しながら、ときどき見返していたそうです。予定どおりに進んでいるかを確かめると、落ち着くのだと。
その日、卒業しています。帰ってからのメッセージは「想像していた怖さの半分もなかった」でした。
質問が多くてもいい
質問が多いことを、申し訳なく思う必要はありません。20項目でも30項目でも、全部に答えてから決めればいい。答えをはぐらかす相手なら、そこで分かります。